赤ちゃんの様子は毎日変化しています。
生まれたばかりの赤ちゃんの肌は赤っぽいですが突然、肌や白目が黄色くなる「黄疸」が現れてびっくりするママもいるかもしれません。
黄疸の原因は生理的なものがほとんどですが、中には病気が原因の場合もあります。黄疸が強く出たときや長引くときは注意が必要です。
でも、実際に黄疸がでたらどうしたらよいのでしょうか。
日光浴が効果的と聞くけど、どれくらいの時間必要なのか気になりますよね。
そこで今回は新生児性黄疸についてまとめてみました。
新生児黄疸の症状は?
ポイント
黄疸の症状は、
- 肌が黄色くなる
- 白目が黄色くなる
生後2〜3日から出始め、1週間〜10日で治まることがほとんど。
新生児の8割に黄疸の症状が出ると言われており、生理的な場合は心配ありません。
黄疸は、ビリルビンという物質が血液中に増えることで肌や白目が黄色くなります。
ビリルビンは黄色い色素を持っているので、血液中に増えることで肌などが黄色くなるんです。
赤ちゃんの肌や白目が突然黄色くなると心配ですが、新生児の8割に黄疸の症状がでると言われています。
生後2~3日後から黄疸が出始め、1週間〜10日ほどで治まってくることが多いようです。
新生児黄疸の原因は?
ポイント
黄疸の原因は3種類。
- 生理的なもの
- 母乳によるもの
- 病気によるもの
どれも、血液中に「ビルビリン」が増えることで肌や白目が黄色くなります。
注意するのは、病気による黄疸です。
症状が強いとき、長引くときは小児科で相談しましょう。
血液中の赤血球が分解されるときにビリルビンが発生します。
発生したビリルビンは肝臓で分解されて尿と共に体外に排出されます。
そのため、通常、体内のビリルビンの濃度が高くなることはありません。
しかし、生まれたばかりの赤ちゃんの血液には大量の赤血球が含まれており、それらが分解されることでビリルビンが発生します。
赤ちゃんはお腹の中でママのへその緒から酸素をもらっています。
これは、肺呼吸よりも効率が悪いため、赤ちゃんは血液中の赤血球の数を増やして酸素をより取り入れられるようにしています。
生まれてくると肺呼吸に切り替わるため、不要な分の赤血球は分解されます。
この大量の赤血球の分解によってビリルビンが発生するのですが、赤ちゃんの肝臓の働きはまだ未熟なため、うまく排出できず黄疸が現れるのです。
生理的な黄疸は徐々に引いていくので心配はいりません。
注意が必要なのは病気による黄疸で合併症を引き起こしたりします。
他には母乳による黄疸があります。
母乳による黄疸
母乳が原因で黄疸が現れることもあります(母乳性黄疸)
母乳には肝臓の酵素働きを抑える女性ホルモンが含まれているため、母乳を飲んでいる赤ちゃんの肝臓の働きが弱まります。
これによって、ビルビリンの排出が遅くなり、血液中のビルビリン濃度が上がり黄疸が出ます。黄疸が1ヶ月以上続く場合は、小児科で相談しましょう。
▼参考 授乳中に食べてはいけない食べ物は?赤ちゃんの発育にも影響する?
病気による黄疸
黄疸があまりにも続く場合は、病気が原因の可能性もあります。病気による黄疸は次のようなものがあり、病院で治療することが必要です。
溶解性黄疸→ビルビリンが過剰に発生するために黄疸を引き起こします。新生児肝炎症候群→肝臓のビルビリン処理機能が弱く血液中のビルビリン濃度が高まります。
先天性胆道閉鎖症→胆汁の排出がうまくいかないために黄疸が出ます。
胆道が閉鎖していると、行き場のなくなった胆汁が肝臓の細胞を破壊したり、合併症を引き起こすことがあります。
黄疸の治療は?
ポイント
治療法は2種類です。
光線療法
24時間保育器の中で光を浴びて、ビルビリンの値をさげていきます。
交換輸血
急を要する場合などは、血液を輸血しビルビリンの値を下げます。
黄疸は、生後2、3日から出始め、1週間から10日ほどで治りますが母乳の赤ちゃんは1ヶ月近く出ることもあります。
あまりにも長引く場合や強く黄疸が出ているときは、小児科で相談しましょう。
生理的な黄疸には治療は必要ありませんが、病気の場合は体内のビルビリン濃度を下げる必要があります。
治療には光線療法と交換輸血の2種類があります。
光線療法
赤ちゃんはオムツ一枚になり、アイマスクをつけた状態で24時間保育器の中で過ごします。
授乳やオムツを替えるときは以外は、保育器の中で光を浴びてすごします。
これは、赤ちゃんを光に当てることでビルビリンを水に溶けやすくし、体外に排出しやすくします。
24時間過ごした後、ビルビリンの値を測定します。まだ、高いときにはさらに12時間〜24時間光を浴びることになります。
交換輸血
これは、輸血により体内の血液を交換する方法です。
赤ちゃんの血液中のビルビリン値が異常に高い場合や、早急に濃度を下げる必要があるときには交換輸血が行われます。
黄疸のためには日光浴が効果的?
ポイント
日光浴にはビルビリンを体内に排出する働きがあります。
日光浴は、
- 1日30分
- 室内でレースのカーテン越し
に行いましょう。
新生児は肌が弱いので直接浴びるのはNGです。
昔から、黄疸に日光浴がよいと言われていました。
窓際に寝ていた赤ちゃんの黄疸が少ないのでは?という経験則からそう言われるようになり、その後、研究により太陽光線がビルビリンを水に溶けやすくすることがわかりました。
ただ、赤ちゃんは紫外線の影響など外に出て直接日光浴をするのはオススメはできません。
黄疸が出た場合は家の中のレースのカーテン越しに1日30分ほど日光浴をしましょう。
日光浴の後は、脱水を防ぐため母乳やミルクをあげてくださいね。
黄疸の種類を知って対処しましょう
黄疸が出始めるのは、入院中が多いので病院で対応してもらうことができますが、退院してからはママがよく観察してあげる必要があります。
肌の色や白目の状態や黄色が強く出ていないかなど、普段から見てあげましょう。
生理的な黄疸の場合は長くても1ヶ月程度で治まっていきますが、1ヶ月以上続く場合は病院で診てもらうようにし、1ヶ月検診時にもそうだんするとよいですね。